２番目に、技術者にとっての「チームワーク」とは具体的に何かを考えたいと思います。「チームワーク」とは社内に向けた「コミュニケーション」です。
前回と同じく、製品開発の設計者を目指すとします。お客様のニーズがあるからと言って設計者が独りよがりな設計をしたら、必ず他部門から「その様なものはできない」と抵抗勢力が出てきます。設計者は各部門がどの様な課題を持っているのかを製品開発を行う前から知っておかなければなりません。
もの作りにおける課題を３つあげるなら「QCD」です。「Quality（品質）」「Cost（コスト）」「Delivary（納期）」です。良い品質の製品を作ろうとするとコストがかかる、開発期間や製造期間など時間がかかるなど相反する問題発生します。設計者はこれらの問題を解決するため、各部門と事前に打合せを行い、設計段階からこれらの問題を解決する仕組みを組込んだ設計開発が求められます。
設計者は、各部門との連携を深め、各部門が持つ課題を自身の課題と捉え、各部門に自ら働きかける事が大切です。設計者は製品開発におけるリーダーです。製造部門の課題を解決してくれる製品が新しく開発されるとなったら、製造部門はどんなにワクワクしながら製造に向かうでしょうか、自分達の悩みをあの設計者は一緒になって解決してくれる、あの設計者のためなら頑張ろうなど、製品開発を通して全部門のモチベーションを高める設計者を目指して戴きたいと思っています。